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- クローン病
こんなお悩みはありませんか？
- 慢性的な下痢や腹痛が続いている
- 原因不明の発熱や体重減少がある
- お腹の不調が良くなったり悪くなったりを繰り返している
- 肛門周囲の痛みや膿みがある
- 検査で「炎症性腸疾患の疑い」と言われた
- クローン病と診断され、今後の治療や生活について知りたい
クローン病は、同じ炎症性腸疾患（IBD）である潰瘍性大腸炎と同様に、国の指定難病の1つです。難病というと、不安に思われる方もいるかもしれませんが、適切に治療を続けることで、これまでとあまり変わらない生活を送る人が増えてきました。
箕面市のよしはら内科・内視鏡クリニックの院長は難病指定医の資格を持っており、クローン病の診断や治療に取り組んでいます。
クローン病とは
クローン病は、口腔から肛門まで、
消化管のどの場所でも起こる
慢性炎症性疾患です。
小腸や大腸を中心に慢性的な炎症が起き、びらん（局所的で浅い傷）や潰瘍（深くえぐれた傷）ができる病気です。多くの場合、下痢や腹痛、発熱、体重減少などを伴います。
クローン病の炎症は、一箇所だけではなく消化管内に断続的に発生し、粘膜の浅い層から消化管壁の深い層まで進行していきます。
クローン病の原因
クローン病のはっきりとした原因はまだ明らかになっていません。
現在は、生まれつきの体質（遺伝的要因）に、食事、喫煙、生活習慣などの環境要因が加わることで、消化管内の免疫システムが過剰に働くことによって発症するのではないかと考えられています。また、腸内細菌バランスの乱れなどが、クローン病の発症に関係するのではないかといわれていますが、いまのところ原因は不明です。
クローン病の症状や合併症
主な症状
症状は患者さまごとに異なり、炎症の部位や範囲によっても変わります。
- 慢性的な下痢
- 腹痛
- 発熱
- 体重減少
- 食欲不振
- 倦怠感
潰瘍性大腸炎と違い、血便の頻度はそれほど高くありません。多くの場合、症状が悪化する時期（再燃期）と落ち着く時期（寛解期）を繰り返します。
合併症
クローン病が進行すると、腸の中だけでなく体のさまざまな部位に影響が及ぶことがあります。
腸管の合併症
- 狭窄や腸閉塞（腸が狭くなったり、詰まってしまう状態）
- 穿孔（腸に穴があく）
- 瘻孔（腸同士や他の臓器とつながってしまう）
- 膿瘍（膿がたまる）
肛門の合併症
- 肛門周囲膿瘍
- 痔瘻
腸管外の合併症
- 関節炎
- 皮膚疾患
- 眼疾患
- 胆石や腎結石
- 脊椎炎
- 口内炎
- 静脈血栓
さらに、クローン病が長期間続くと、がん（小腸、大腸、痔瘻）の発症リスクが高くなると考えられています。治療にあわせて、定期的にがん検査を受けることが大切です。
クローン病の分類と重症度判定
炎症の発生部位による分類
クローン病は炎症がどの部位にあるかで次のように分けられます。
| 小腸型 | 小腸に炎症がある |
|---|---|
| 大腸型 | 大腸に炎症がある |
| 小腸大腸型 | 小腸と大腸の両方に炎症がある |
| 特殊型 | 上記に当てはまらないもの |
重症度による分類
クローン病は症状の悪い時期（活動期）と落ち着いた時期（寛解期）を繰り返します。活動期の重症度を判断するために、以下のスコアが用いられます。
CDAIスコア（Crohn’s Disease Activity Index）
- 過去1週間の腹痛、下痢、合併症の有無などを点数化する指標
- 主に臨床研究で使用される
| 重症度 | CDAI | 合併症 | 炎症（CRP値） | 治療反応 |
|---|---|---|---|---|
| 軽症 | 150〜220 | なし | わずかな上昇 | 軽症治療に反応 |
| 中等症 | 220〜450 | 明らかな腸閉塞などなし | 明らかな上昇 | 軽症治療に反応せず |
| 重症 | 450以上 | 腸閉塞・膿瘍など | 高度上昇 | 治療反応不良 |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
IOIBDスコア（International Organization for the Study of Inflammatory Bowel Disease）
- 日常診療で使いやすい簡易スコア
- 10項目のうち当てはまる項目を1点として集計し、2点以上で活動性と判断
| 評価項目 |
|---|
| 腹痛／1日6回以上の下痢または粘血便／肛門部病変／瘻孔／その他の合併症／腹部腫瘤／体重減少／38℃以上の発熱／腹部圧痛／10g/dL以下の貧血 |
| 判定 |
| 2点以上 … 活動期（医療助成の対象） 1点以下 … 寛解期 |
分類の活用法
クローン病は再燃と寛解を繰り返す病気です。
そのため CDAIやIOIBDといったスコアを活用し、現在の活動度を把握することが大切です。重症度に応じた早めの治療介入は、腸閉塞や瘻孔などの合併症を防ぐことにつながります。
クローン病の検査・診断
クローン病は、１つの検査だけで診断することが難しく、問診や複数の検査をおこないながら、ほかの病気ではないことを確認しながら診断していくことになります。
問診
最初におこなうのは問診です。患者さまの症状とその経過、病歴（家族の病歴を含む）、服薬状況などについて時間をかけてくわしく話をお聞きします。
画像検査
問診の結果、クローン病が疑われる場合には、便検査や血液検査、画像検査をおこないます。そのなかでもクローン病の診断でとくに重要なのが、画像検査です。
内視鏡検査
炎症や潰瘍がある場所、形態、程度、範囲などを直接観察します
バリウムを用いたX線検査
消化管の形態異常を調べます
バルーン内視鏡
特殊な内視鏡で小腸の深部まで観察します
エコー、CT、MRI
消化管壁の肥厚や合併症の有無を調べます
組織検査
必要に応じて、内視鏡検査と併せて、生検（粘膜組織を採取して顕微鏡で調べる検査）をおこなうこともあります。
当クリニックでは、クローン病の診断から治療まで一貫して取り組んでいます
クローン病は長期的な管理が必要な疾患ですが、適切な治療を続けることで症状をコントロールし、通常の生活を送ることができます。
箕面市のよしはら内科・内視鏡クリニックでは、難病指定医をもつ院長が症状や検査結果に応じて、薬物療法を中心とした治療計画を立て、定期的な検査で経過観察をおこないます。
また、日常生活での注意点や食事のアドバイスなど、生活全般のサポートもおこなっています。クローン病でお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。