下痢・水下痢

こんなお悩みはありませんか？

• お腹が痛くないのに下痢が続いている
• 水のような便が何日も止まらない
• 脱水が心配で不安になる

痛みがないからといって放置してしまうと、体に負担をかけることがあります。特に高齢の方や体力の落ちている方は、脱水症状を引き起こしやすく注意が必要です。

食生活の乱れ

脂っこい食事や香辛料の強い食品、大量のアルコールは腸を刺激し、消化不良を起こしやすくします。

腸内細菌のバランスの乱れ

抗生物質の服用、ストレス、不規則な生活によって善玉菌が減少すると、腸内環境が悪化し、下痢につながります。旅行中に環境が変わった際に見られる「旅行者下痢」も、この一例です。

ウイルスや細菌による軽度の感染症

通常は数日で自然に治まりますが、長引く場合には受診が必要です。

薬の副作用

抗生物質や消炎鎮痛剤、降圧薬などが腸に影響を及ぼし、下痢を引き起こすことがあります。

精神的な要因

腸は「第二の脳」と呼ばれるほど自律神経と密接に関係しており、強いストレスや不安、睡眠不足や過労などが腸の運動を乱し、痛みを伴わない下痢を引き起こすことがあります。過敏性腸症候群（IBS）の中には、このようにストレスで症状が悪化するタイプも知られています。

発熱を伴う場合

ウイルスや細菌の感染症の可能性があります。特にノロウイルスやロタウイルスでは、強い感染力を持つため、衛生管理も重要です。

急な体重減少

栄養吸収に障害が起きているサインかもしれません。吸収不良症候群や慢性疾患、場合によってはがんの可能性もあります。

脱水症状

水分と塩分が失われ続けることで脱水症状が出ることもあります。喉の渇き、尿量の減少、めまい、倦怠感などに注意してください。

血便が混じる

大腸炎や炎症性腸疾患、大腸がんの可能性もあるため、早急な受診が必要です。

嘔吐や吐き気

食中毒や感染症が疑われます。

過敏性腸症候群（IBS）

腸の機能に異常が生じることで、下痢や便秘、腹部の不快感を繰り返します。ストレスや生活習慣の乱れが大きく関係しており、症状が強い場合には腹痛を伴うこともありますが、痛みを伴わず下痢だけが続くこともあります。

炎症性腸疾患（IBD）

潰瘍性大腸炎やクローン病などが含まれ、腸に慢性的な炎症を起こす病気です。下痢が長く続くだけでなく、血便や体重減少を伴うこともあります。炎症の部位や程度によっては痛みが少なく、下痢だけが目立つ場合もあります。診断には内視鏡検査が必要です。

腸内細菌の異常（腸内フローラの乱れ）

抗生物質の使用や不規則な食生活、ストレスなどで腸内細菌のバランスが崩れると、下痢が続くことがあります。痛みを伴わないことも多く、腸内環境の改善が症状の軽減につながります。

慢性膵炎・膵外分泌機能不全

膵臓から分泌される消化酵素が不足し、脂肪をうまく消化できなくなる病気です。水っぽい便や油分を含んだ便が続き、痛みは少ないものの便が浮いたり強い臭いを伴うことがあります。

甲状腺機能亢進症（バセドウ病など）

甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、新陳代謝が活発になることで腸の動きが早まり、下痢を引き起こします。食欲はあるのに体重が減る、発汗が多い、動悸がするなどの症状を伴うことがあります。

吸収不良症候群

小腸で栄養を十分に吸収できないために、未消化のまま便として排出される病気です。乳糖不耐症やグルテン不耐症（セリアック病）などが代表的です。腹痛を伴わずに水様便が続くことがあります。

ウイルス性腸炎の軽症例

ノロウイルスやロタウイルスなどによる腸炎では、典型的には発熱や嘔吐を伴いますが、軽症の場合は下痢だけが続くケースもあります。数日で自然に回復することが多いですが、長引く場合は受診が必要です。

新型コロナウイルス感染症

呼吸器症状だけでなく、腸に感染して下痢を引き起こすことがあります。発熱や咳と併せて、痛みを伴わず下痢だけが続く場合もあります。

食事と水分補給

治療の基本は、体に負担をかけない食生活と十分な水分補給です。脂っこい食事やカフェインは避け、消化にやさしい食べ物を選びましょう。経口補水液やスポーツドリンクで水分と電解質を補うことも大切です。

薬による治療

症状に応じて整腸剤や抗下痢薬を処方する場合があります。また、腸内環境を整えるために乳酸菌やプロバイオティクスを取り入れることがすすめられることもあります。

急性下痢への対応

急性の下痢では、体が不要なものを排出する「出し切る」ことが回復につながる場合もあります。ただし症状が長引いたり強く出ていたりする場合は、市販薬に頼らず医師の診察を受けることが大切です。

ストレスと生活習慣への対応

ストレスや生活習慣の乱れが関与しているケースでは、生活改善や心理的サポートも治療の一部となります。当院では症状の背景まで丁寧に伺い、再発を防ぐためのアドバイスもおこなっています。