便の色

理想的な便はこのような状態をいいます

排便回数

個人差がありますが、1日3回〜1週間に3回の範囲であれば正常とされています。

便の量

食事内容によって異なりますが、1日100〜200グラム程度が目安です。おおよそバナナ1.5〜2本分が相当します。

便の硬さ

健康な便は半練り状です。硬すぎる、ドロドロしている、パシャパシャしている、またはウサギの糞のようにコロコロしている場合には注意が必要です。

便のにおい

正常でも便はにおいますが、顔をしかめるような強い悪臭は異常のサインです。動物性タンパク質の摂りすぎ、ストレス、運動不足のほか、直腸がんなどが原因のこともあります。

黄色

牛乳を多く飲みすぎた場合や下剤の服用によって見られることがあります。軽度で一時的なこともありますが、下痢を伴う場合には消化不良や感染症の可能性も考えられます。

茶褐色

一般的な食べ過ぎ・飲み過ぎで起こる色の変化です。生活習慣を整えれば改善することが多いですが、長期間続くと胃腸への負担が大きくなります。

黒色（タール便）

鉄剤を内服していると黒っぽい便になりますが、注意が必要なのは消化管出血です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん・大腸がん、ピロリ菌感染症、さらに鎮痛薬やステロイド薬の副作用などで上部消化管から出血すると、血液が酸化して黒色便（タール便）として現れます。続く場合は早急に受診が必要です。

濃い褐色

便秘で腸内に長く便がとどまると、水分が吸収されすぎて濃い褐色になります。また肉類やココア、チョコレートの過剰摂取でも濃い色に変化します。

緑色

消化が不十分なときや急性腸炎で腸の動きが速くなったときに見られます。ほうれん草などクロロフィルを含む食品の影響でも便が緑っぽくなることがあります。下痢を伴う場合は感染性腸炎の可能性もあります。

赤褐色

大腸がんやポリープ、憩室炎、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病といった大腸疾患で出血があると、便が赤黒い色になります。鮮明な赤よりもやや暗い色合いが特徴です。

鮮やかな赤

痔や切れ痔、肛門裂傷など肛門付近の出血で見られる色です。鮮やかな赤色は肛門に近い部位の出血を示しています。軽症と思われがちですが、大腸疾患の初期症状である可能性もあるため注意が必要です。

黒色便（タール便）

真っ黒でどろっとした便は、胃や十二指腸など上部消化管からの出血によることが多いです。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染、小腸の病気が原因となることもあります。鉄剤や一部の薬の影響でも黒くなる場合がありますが、出血性の病気は命に関わるため、早めの受診が必要です。

赤い便

鮮やかな赤色が便やトイレットペーパーに付着しているときは、肛門に近い部位からの出血が考えられます。痔や裂肛のこともありますが、大腸ポリープや直腸がんなどの重大な病気が隠れていることもあります。赤黒い色の場合は大腸全体の病気が疑われます。

灰白色の便

白っぽい便は、胆汁が腸に流れにくくなっているサインです。肝臓や胆道、すい臓の病気が関わることがあります。バリウム検査後に一時的に見られることもありますが、数日続く場合は必ず医療機関に相談してください。